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絵本 アーカイブ

2006年01月09日

ちいさなうさこちゃん

『ちいさなうさこちゃん』

ディック・ブルーナ 文・絵
いしいももこ 訳
福音館書店(1964)

ある晩、庭のまんなかに天使が立って、ふわおくさんに言いました。
「よくおききなさい あなたに じき あかちゃんが できますよ」。まもなく本当に生まれたかわいい赤ちゃんを見に、たくさんの動物たちがやってきます。
けれど、うさこちゃんは赤ん坊うさぎ。大勢のお客にくたびれて、頭はこっくりこっくりこ・・・・・。

おなじみのこのうさぎの子。
“ミッフィー”というのは講談社版。“うさこちゃん”は福音館書店版なのだそうです。

1955年にオランダで出版され、日本で紹介されたのは、1964年。以来多くの支持を得ています。
この絵本の素晴らしいところは、ひとことで言うと、シンプルさ。「ブルーナ・カラー」と呼ばれる赤、黄、青、緑、茶、グレーの6色で描かれた絵本は、小さい子どもをひきつけます。
一見、無表情に見えるうさこちゃんの表情ですが、子どもたちはだからこそ、イメージを膨らませることができます。
石井桃子さんの訳も名訳です。「子どもがはじめてであう絵本」としてシリーズ化され、「ブルーナのゆかいななかま」シリーズに続くなど、子どもの成長とともにおはなしも続きます。

石井桃子さんの名訳は、その後4集以降松岡享子さんによって引き継がれています。

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石井桃子 
1907年3月10日、埼玉県生まれ。
日本女子大学英文科卒。
編集者として新潮社の「日本少国民文庫」、岩波書店の「岩波少年文庫」「岩波の子どもの本」の編集を担当。
「ノンちゃん雲に乗る」で文部大臣賞受賞。
翻訳書は、『クマのプーさん』、『プー横丁にたった家』、『トム・ソーヤーの冒険』など。

2006年01月10日

おちゃのじかんに きた とら

『おちゃのじかんに きた とら』

ジュディス・カー 作
晴海耕平 訳
童話館(1994)

ある日、ソフィーとお母さんが台所でお茶の時間にしようとしていると、突然、玄関のベルが鳴り、なんと大きなとらがやってきました。
「ごめんください。ぼく、とてもおなかがすいているんです。お茶の時間にご一緒させていただけませんか?」ととらが礼儀正しくお願いすると、「もちろんいいですよ」とお母さん。
こうして、ソフィーたちはとらと一緒にお茶を飲むことになります。
とらは家中のものを食べてにこにこで帰っていきます。そこへお父さんが仕事から帰ってきます。ふたりがあったことを全部話すと、お父さんは、レストランに行こうと提案します。帰りにとらがまた来てもいいようにタイガーフードの缶詰も買って帰るのですが、それ以来、とらは現れなかったというおはなし。

この非日常的な出来事が子供心をつかんではなしません。異常なのに平常なところが大人までもとりこにします。
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ジュディス・カー 
著名なドイツ・ベルリン生まれ。
人作家の娘として生まれた。ナチスの手を逃れて1933年にドイツを離れ、スイス等を経てイギリスに移る。著書に「ヒトラーにぬすまれたももいろうさぎ」「もう一羽のがちょう 」 等。

2006年01月22日

はなをくんくん

 『はなをくんくん』

ルース・クラウス 文
マーク・サイモント 絵
きじまはじめ 訳
福音館書店 発行

寒くて長かった冬が終わり、春のおとずれを感じることは、人間にとっても動物たちにとっても大きな喜びです。
雪の降る森の中、動物たちは体をまるめて冬眠中。
野ねずみも、くまも、小さなかたつむりも、りすも、山ねずみも、みんな目を閉じてぐっすり寝ています。でもなんだか目をさましたみたい。そして、ちょっぴり寝ぼけまなこで鼻をくんくんしています。
何かに向かって走り出しました。いったい何が起きたのかな??
最後に黄色い色のついたお花を見つけて、そのお花のまわりに動物たちが集るという場面は、ほんとうに春が来た喜びに満ち溢れています。

やわらかいタッチの美しい絵と詩のような文です。
きびしい冬が終われば、春が来るという自然の摂理と喜びを、ごく自然に無理なく子どもに語りかけ、共感をよびます。
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ルース・クラウス(Ruth Krauss) 
1901年~1993年。
アメリカを代表する詩人、劇作家、そして児童文学者。子どもをよく観察し、言葉遣いやものの見方を大事にした作家だといわれています。
「自分の作品のすべては、子どもたちからもらったすてきなことごとを、子どもたちに返すための作業の結果です。」と語った話も残っています。
彼女が文章を提供し、モーリス・センダックやマレ・シモンらと組んだり、夫のクロケット・ジョンソンと作り出した本もたくさんあります。

マーク・シーモント(Marc Simont)
マーク・サイモントと表記されているものも有り。
1915年、フランスのパリに生まれる。
父親はスペインのイラストレーター、ホセ・シーモント。幼少時代をスペインで過ごし、1926年、アメリカ、ニューヨーク州ニューロシェルに一家で移住。
1932年、パリに戻り、アカデミー・ジュリアンで絵画を学び、3年後再び渡米。
ニューヨークのナショナル・デザイン学校で学んだ後、1939年から、子どもの本の仕事にかかわる。
第二次世界大戦中、3年間アメリカ陸軍に在籍。1
949年、「はなをくんくん」(コルデコット賞オナー)「大きいもりと小さな家」出版。
1951年、「ポリーの麦笛」で作家として認められる。
1956年、かの有名な「木はいいなあ」を出版、コールデコット賞を受賞。マーク・サイモントと表記されているものもありますが、1996年から、より正確な発音による表記に改められました。

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