ちいさなうさこちゃん
ディック・ブルーナ 文・絵
いしいももこ 訳
福音館書店(1964)
ある晩、庭のまんなかに天使が立って、ふわおくさんに言いました。
「よくおききなさい あなたに じき あかちゃんが できますよ」。まもなく本当に生まれたかわいい赤ちゃんを見に、たくさんの動物たちがやってきます。
けれど、うさこちゃんは赤ん坊うさぎ。大勢のお客にくたびれて、頭はこっくりこっくりこ・・・・・。
おなじみのこのうさぎの子。
“ミッフィー”というのは講談社版。“うさこちゃん”は福音館書店版なのだそうです。
1955年にオランダで出版され、日本で紹介されたのは、1964年。以来多くの支持を得ています。
この絵本の素晴らしいところは、ひとことで言うと、シンプルさ。「ブルーナ・カラー」と呼ばれる赤、黄、青、緑、茶、グレーの6色で描かれた絵本は、小さい子どもをひきつけます。
一見、無表情に見えるうさこちゃんの表情ですが、子どもたちはだからこそ、イメージを膨らませることができます。
石井桃子さんの訳も名訳です。「子どもがはじめてであう絵本」としてシリーズ化され、「ブルーナのゆかいななかま」シリーズに続くなど、子どもの成長とともにおはなしも続きます。
石井桃子さんの名訳は、その後4集以降松岡享子さんによって引き継がれています。
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石井桃子
1907年3月10日、埼玉県生まれ。
日本女子大学英文科卒。
編集者として新潮社の「日本少国民文庫」、岩波書店の「岩波少年文庫」「岩波の子どもの本」の編集を担当。
「ノンちゃん雲に乗る」で文部大臣賞受賞。
翻訳書は、『クマのプーさん』、『プー横丁にたった家』、『トム・ソーヤーの冒険』など。