『児童文学論』 -1-
この世のどんな強制をもってして、子どもが読みたくない本を、むりに読ませておくことはできない。自分たちの選択の自由を、子どもたちは、たいしたたくみさと頑強さで守りぬく。もちろん、子どもたちにしてみれば、どうして自分がこの本をはねつけて、あの本にしがみつくのかというわけを知らないだろう。子どもたちの判断力は、めったに分析的でないからである。しかし、それは、ある純粋なもの―楽しみに根ざしている。「楽しみのない」場合は、もし読んだとしても、いやいやのことなのである。
L・H・スミス著『児童文学論』より